注意 サンプルにはないですが、暴力描写多めです。 舞台はロンドンのカントリーハウスが主な舞台です。 しょっぱなから兄ちゃんが一人で遊んでます。 サブテーマは拷問です。 冬の気配が早足で近づいていた。クリスマスの色彩、音楽。空気の変化。影は日に日に薄く長く伸びる。フランスは、毛布を被り直した。寒いが暑い。別に、熱があるわけではなかった。手を動かす。出来るだけ素早く。強弱をつけて。実際に生きた年数を数えてはいないが、生きた年の数だけ自分の手と付き合ってきた。射精できるようになってからは、益々、体と右手の付き合いは深くなる。どうすれば気持ちいいか?それは右手が一番よく知っていた。性器を丸ごと自分の目で確認することは難しい。しかし、その感触なら嫌というほど分かる。部屋には、性の、独特の青臭い匂いと、香水が香り漂っていた。う、とフランスはその中で呻いた。首筋が、微かに汗をかいている。 「は!」 抜けた。重たい体をベッドの中に伸ばす。以前、撮影した写真が、精液で汚れた。もっとも、汚したくてそうしたのだけれど。けれど、自分のペニスを拭いとったのと同じティッシュで、すぐに拭き取ってしまった。その写真を、枕元に放った。音も立てなかった。薄暗い部屋で、それでも写真はその光沢のせいか、少し光って見える。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 飽きる程、恋をしたとは言はない。飽きるほど、恋を見たとも言わない。掃いて捨てる程の、恋の歌も聞いてきたし、何万の恋の物語を読んできた。何億粒の涙を舐めた。ずっとそれでは疲れてしまう。仕事に打ち込んでいる時は面倒にも思う。時には「恋をしなくちゃいかない」「愛さなくちゃいけない」と義務感にかられることもあれば、いけない、それは不味いと思っても魅かれずにいられないこともある。 ならセックスは?淫蕩な自覚があっても、セックスの生はまるで脂肪が多い料理に似ている時があって、時に食傷気味になる。でも、好怒りは眠りを殺す。焦燥は安穏を殺した。恐れは、焦燥を招き、焦燥は憤怒へと姿を変えた。その全てを悟ったように、イギリスは突然、笑い始めた。体を折り曲げて、とうとう咳まで出して笑った。フランスは、ただ立ち尽くした。予感は悪いもの程よくあたる。ふり乱した髪から、暗い緑の視線が覗き、フランスをとらえた。次の瞬間、フランスは床に倒れた。殴られたのは腹だった。そのまま蹴り飛ばされたきだ。オナニーよりは、誰かと肌を触れ合うほうが心地よい。しかしながら、それは永遠には続けられない。どうにも永く生きすぎる。変わらない姿で、変わっていく相手を見届ける。それは辛い。そういうものには、湿った肉感が伴っている。乾いた理論を越えて。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 怒りは眠りを殺す。焦燥は安穏を殺した。恐れは、焦燥を招き、焦燥は憤怒へと姿を変えた。そしてを悟ったように、イギリスは突然、笑い始めた。体を折り曲げて、とうとう咳まで出して笑った。フランスは、ただ立ち尽くした。予感は悪いもの程よくあたる。ふり乱した髪から、暗い緑の視線が覗き、フランスをとらえた。次の瞬間、フランスは床に倒れた。殴られたのは腹だった。そのまま蹴り飛ばされた. という感じの本です。 |