イギリスは太い眉毛の間に皺を寄せた。その目つきは三白眼。まるで、見るものを焼き殺す視線だった。その様子を見下ろして、フランスは満足そうに笑うと、イギリスの髪をぼさぼさと撫でた。 「何よ坊ちゃん。さっきから俺の股間をそんな熱心に見つめちゃって。そんなに俺のをくわえたい?」 イギリスは、ニヤニヤとだらしない口元をチラリと見やってから、「ちげぇーバカ祖チン」と苦虫をつぶしたように言った。 「てめぇなんでこんなバカ派手なパンツはいてんだよなんだよ黄緑に小花柄ってお前バカだろさっきまでやる気満々だったのに俺萎えちまったじゃねーかどうしてくれんだよ」 フランスは、撫でていた指でイギリスの髪をひっつかんだ。そして、「いってぇな!」いう文句を無視して代わりに思い切り巻くしたてた。 「ああなんだよいいじゃねぇかフランス男は下着にまで美を求めるんだよ人の勝負下着に文句つけるんじゃねぇよホラホラお前にもらったバラでつくったポプリと一緒に保管してっから芳しい香りがするだろたん嗅げよこのクソ」 「人が丹精込めて世話したバラを汚すんじゃねぇよあと匂いで思い出して俺が一人の時にしたくなったらどうしてくれんだよつーかお前バカじゃねぇの」 「当たり前だろお兄さんの股間はいつだってバラのオーラが漂ってんだよまぁお前が一人でしたくなったら動画とって俺にちょうだいよそれでオカズにするからつーかさっさとお前そのお口に咥えろよ」 イギリスは、頭を押さえつけられたまま諦めたように、黄緑のボクサーブリーフの、ゴム部分に指をかけて下におろし、その間をマジマジと見つめた後「マジにバラの匂いかよ……」と低い声で絶望的に言った。しかし、そのまま、大きく口を開けた。フランスは、髪を撫でるのを再開した。 「おまえこそさーその白いカボチャパンツみたいなダッサイのどうかと思うよ何でお前俺が買ってやったパンツはいてねぇんだよ」 「※1いえひょがyぽうねあーたうぇgた」←咥えながら喋っている 「アメリカに見られたら困るってお前なに浮気してんじゃねーよ俺は浮気するけどお前が浮気したらもう飯つくってやんねーからなってイタ噛むなこのガキ!そうそう、ちゃんと吸ってなさいって、はぁ?アメリカの教育上に良くないってお前いつまであいつに夢見てんだよっていうかなんでお前の下着姿みる前提になってんだそれ意味分かんねょ、ああごめんそろそろイキそう」 フランスが数回震えてから、イギリスは口を放した。中身をごくりと飲み下すと、イギリスはむくっと起き上がって、唾を飛ばす勢いで怒声をあげた。 「うっせぇよ髭、人のパンツ盗む変態野郎が文句つけてんじゃねぇよいいんだよワ●メちゃんの白パンツは正義なんだよバカぁ」 「意味分かんねぇよだれだよワカ●ちゃんって俺はお前にそんな要素期待してねぇよつーかお前ランジェリーは平気で履く癖になんで俺のパンツが嫌なんだ言ってみろこのアバズレ男」 「なんだよヤリチン喧嘩なら買うぞランジェリニーはなぁ夢がつまってんだよロマンスが溢れてんだよ!ああわるい、そろそろ我慢できねぇからつっこんでくんえね?」 「夢で出来てんのはお前の頭じゃねぇかこのヤンキー突っ込んでやるから後ろ向け後ろ畜生なんならドロワーズだったらたぎったのに」 イギリスはまるで老人のような動作でよっこらせと後ろに向きながらベッドにつっぷした。 「なんだよそれお前が履けよそしたら盛大に笑ってやるから期待してるぜ変態、は」 「ほらもちょっと中に突っ込むから、息吐いてー力抜いてー、そうそううまいうまいんじゃぁ、今度一緒に買いに行こうぜ」 「……俺しばらく仕事だからお前が買ってこいよ履いてやるから、あ、そこ」 「了解、ドロワーズのペアルックな、うんいい感じついでに匂い袋わけてやるよ」 「ドロワーズはともかく匂い袋は仕事に支障きたすからいらねぇよ。あ、そういやお前、俺から盗んだパンツどうしてんだ?」 「たまに履いてるけど何、お前俺の使用済みパンツが欲しいの?」 「いらねぇよ俺を変態の同類項でくくるんじゃねぇよむしろ俺が欲しいのはお前の処理づみの胸毛だよ、ってちょっと、だからそ、は、……あああもうお前、ああ後で殺す!」 『……ってことがあったんだが、変態なのはコイツの方だよな?』 イギリスとフランスはお互いを指さしてそう言った。完全に酔っているようだ。 「もうお前ら家に帰って乳繰り合ってろよお前らのパンツになんかおれはきょうみねぇんだよこのホモどもが」 プロイセンはとある人物の、彼の夢とロマンとその他何かパンツについてそっと思いをはせながらそう言った。 「ほんまこのバカップル迷惑やわぁトマト投げてぇえ?むしろイギリス顔面殴ってぇえ?」 スペインはにっこりと笑って、ウィスキーの瓶を握ってそう言った。プロイセンは「お子様たちにゃとてもきせられねぇぜ、まったく」と呟いたがイギリスとフランスは「バカップルじゃねええあとパンツをばかにすんな!」と叫んでついでお互いをののしりあったあげく、結局二人で殴り合いを始めた。 スペインとプロイセンは止めるでもなくアルコールを飲んで、「どっちが勝つのに賭ける?」と話し始めた。 「どっちも負けやろ、おいほら、フランス脇があいとるで!あばらいったれやー」 「んじゃここの勘定こいつら持ちな、ほらーもっとやれーイギリス足ねらえー折るつもりで蹴ろよー、なぁスペインおまえどんなパンツが好き?」 「ロマーノのカボチャパンツにきまっとるやん、」 「俺はイタリアちゃんの赤パンツをヴェストが履いてるのが一番だな」 その後、店と彼らがどうなかったは記録もとい誰の記憶にも残さてれいない。 |