Happy brothers    家族的類似性


 俺が君に似ていることに気付いた時に、彼は、俺を笑った。
「似てねぇよ!」
 いや、似ているよ。すごく似ているよ!!
 大声を出したいくらいだったけど、俺は言った。そうだね、似てないね、気のせいだね。
 そのあと、彼の悪友に、俺は言った。
 俺達は似ていると思うんだ。
 そういったら、本当にこの年上のヒゲは、失礼な人で……爆笑しだしたんだ。
「お前、気づくのおそすぎだって!!」
「いや、でも」
 彼は、似ているだなんて言わなかったよ。
 そいつは、あれだ、あいつは認めてて受け入れてて、それが全部皮肉なんだ。
 君たちも、いやって言うほど似ているよね。
「そりゃ、ないね!」
 ほら、やっぱり似ているじゃないか。

 銃の引き金を引くのは、俺にとっては簡単なことだった。
 君は、俺にその重さを、今でも教えてくれたりはしなかった。
 君は知っている。その重みを知っている。俺よりもはるかに。
 だから君は言う。俺は子供だと。俺たちは似ていないのだと。

 重いと俺は言った。
 君は重いと俺はいった。
 そうして何年もたって、君にのしかかって俺に、君は俺が重いといった。

 俺の重圧はいつだって、俺自身にある。

「似てるって、いいことじゃねぇか。つまりそれは俺とちがうって、そういうこったろ。俺にしてみれば、お前と髭のほうがにてっけど」
「そりゃ、ないよ」
 彼は腹を出して、ピザを食べる。だらしないけど、俺たちはそういうだらしない男だから。
 コカ・コーラに溶けた砂糖で俺は馬鹿になる。君は太ってしまう。そうして俺たちは重くなる。フランスは、そんな俺たちを彼はだらしないといい、ワインを煽っている。その横で目だたない、俺の顔ににただ誰かが、ガムを噛んでいる。
 俺たちは似ている。ふんわり髪の彼は、ホッケーが大好きで、そのことになるとやたら熱い。俺も熱い。やれ。叩き潰せ。もっと。もっと、もっと。
 引き金をひける。
 それを呆れたように、もう一人のふんわりした彼が見ている。彼は君と、何か難しい皮肉を言っている。下品だなぁ、とか多分そんな。俺にいわせれば、君たちのほうがよっぽど、よっぽど、下品なんだけどな。すっごいくだらない下ネタでもりあがって、自分たちで自分たちをネタにして、笑い物になって平気。
 君は、誰かにあの人の話をしはじめる。俺にはそれについてはよくわからない。そうして讃えられることの意味は、知らないことだから、多分すごいことなのどろうということしか、想像をすることができない。
 なので、俺は彼と、世の中にはわからない、もっとよの中は普遍という理性をもとめるべきだよという。彼はそれに同意してくれる。そして彼の思う普遍と理性について語ってくれる。残りの二人は俺達に反論する。

 俺たちは共通性はないけど、とても似ていて、似ていて、それで・・・

 多分きっとコレが兄弟だ。
 このさきも。