「ちっちゃくなったよね君」 そういって、アメリカはイギリスの首筋に、まるで匂いでも確かめるように鼻をよせた。 「うるせーな。てめぇが、でかくなりすぎた。主に横に。」 「……そういうこと言うかい」 ちょっと酷くないかとおもって、アメリカはイギリスの右肩に顎を載せる。 「背中にあたる腹の肉が柔らかい」 嘘だそんなことはない、だって俺は毎日鍛えてるからねと、ぶつくさいい訳をするのを聞いて、イギリスはうっすらと笑った。TVをみたまま、右手を上にあげて、肩口にあるアメリカの口にポテチを持っていく。アメリカはそれを、ぱく、と咥えてついでに油のついたイギリスの指を舐めた。イギリスはそれに振り向いて、その指で、アメリカの口をそっとなぞってやる。 「君が、貧相に過ぎるんだよ!肋骨が浮いてそうだよ」 そういって、イギリスを抱く腕に思い切り力そ込めると、「馬鹿、痛い!」といってイギリスは反射的にアメリカの足を踏みつけた。アウチ!と思わずアメリカが叫ぶのを嬉しそうに、聞きながら、イギリスは首をアメリカの方に向けた。 「いっそ、お前の腹を枕にして寝たら気持ちよさそうだよな」 「やめてくれ」 「いいじゃねぇか、腹枕。俺は嫌いじゃねぇ」 君が笑って言うってことは皮肉だろうどうせ、とアメリカは不貞腐れた。 すねんなよ、とイギリスは、首をすこしひねって、アメリカの頬にキスをした。 お返しに、短い彼の髪に口づけるをする。髪の毛からは、かすかに彼の汗の匂いがした。 そのまま、唇に触れるだけのキスをした。舌をいれたら、きっとポテトの味がしただろう。 それから、イギリスはアメリカの胸にもたれて、またTVに視線を戻す。 それがちょっと、寂しかったので。 「せっかくだから、今日はお互いを枕にして寝ようよ」 と囁いた。 彼は、は、と言って赤くなった。馬鹿ぁ!と言って振り返った顔が面白い。 「……腕枕なら譲歩してやる。つーかそれならいつもやってんじゃねーか」 誰もいないのに俯いて顔を伏せる彼に「そうだね」と返した。 照れ隠しか、「ほら食えよ!」といって袋ごとポテトチップスを薦めてくるので、 喜んでそれを頂くことにする。 しかし、そろそろポテトチップス以外のものが食べたいと思ったのでその前に、その真っ赤になった耳を噛んだ。 08/07/ |